輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《不連続殺人事件(ふれんぞくさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 頁

青空文庫

ウチも戦争まえまでは自動車があったが、戦争以来は自動車どころか、村全体に一台の人力車すらもない。海老塚さんは変り者だから、母屋へは寝たがらずに、いつごろからか、釣殿専門に寝泊りするようになったのだ。時々急患がきて、医院から電話のくることがある。ゆうべも何かそんなことがあったのだろう」

「じゃア、八重にきいてみましょうか」

あやかさんは室内電話で女中の八重をよんだが、八重は用たしに村へ出ており、やってきたのは諸井看護婦であった。

「諸井さんは医院へ行らっしゃらなかったの?」

「ええ、今日は警察の御用で午ちかくまでかかったうえに、南雲さんが今朝から腹痛で、注射しているのです」

「お由良様が?」

「いいえ、南雲おじいさん」

「ゆうべ、医院に急患がありませんでしたか」

「ございません」

諸井看護婦は冷くジロリと一馬をみつめて返事をした。

「じゃア、あなたは医院の用か何かで、ゆうべ海老塚さんに会うようなことはなかったわけですね」

「ある筈がないと思いますが」

「海老塚さんは、ゆうべも釣殿へ泊ったのですか」

「今朝はこのウチにいらっしゃいましたわね。ゆうべのことは存じませんが」

諸井女史は冷たく横を向いてうそぶいた。