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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《不連続殺人事件(ふれんぞくさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 頁

青空文庫

「毎日ですか」と一馬がきくと、

「そうですよ。あなた方が寝しずまってからも、私たちはそれとなく警戒致しておりますよ」

「じゃア、今、庭の奥の繁みへ隠れたのも刑事さんかしら。庭の滝の上の方にも、どなたか警戒していらっしゃる?」

「さア、どうですか。別に打ち合せてはおりませんが、八丁鼻でも、いるのかな。いや、八丁鼻はほかの仕事がある筈だが、私がひとつ見廻ってきましょう」

あやかさんはホッと安堵の様子であった。私と一馬は立ったついでに用をたして、私が先に戻ってきた。みんなゾロゾロでたものだから、それにひかされたらしく、私と入れちがいに木ベエと神山東洋が立って、用をたして戻ってきた。そのとき、コーヒーがくばられていた。

八重がピカ一のところへコーヒーをはこんで卓上へおくと、ピカ一は茶碗を手にとり、なで廻し、ひねくり廻して、

「畜生め、相変らずかけた茶碗を廻しやがるな」

ジロリと八重をにらむと、

「お前さんが暴れてコーヒー茶碗をかいただから、自業自得さの」

と、八重はピカ一を好まぬらしい。

「アレ、加代さまに、あれを上げればよかった。こっちが、もっとかけているもの」

先日、ピカ一が暴れたとき、卓がひっくりかえってコーヒー茶碗が一ダースほどかけたり割れたりしてしまった。