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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《不連続殺人事件(ふれんぞくさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,047 字 · 322 頁

青空文庫

「そのときフラスコの飲みものを召上りましたか」

「ええ、飲みました。いくらも残っていなかったのです」

「あの飲み物は何ですか」

「ゲンノショウコ。王仁さんは丈夫そうで、胃が悪いのです。お茶の代りに毎日ガブガブ、ゲンノショウコを召上る習慣でした」

「失礼ですが、あなたはちょッとよその部屋へ行かれるにもライターを持ってお出かけですか」

「いつもそうとは限りません。でも、王仁さんはタバコを召上らないのです。私も昨夜はライターを持たずにでかけたのです。するとドアに鍵がかかっていたのです。それで一度は戻ったのですが、考えてみると、おかしいのですわ。王仁さんの鍵は偶然私がお預りしていることに気付いたのです。探してみると、ありました。で、ついでにライターとタバコを持って、思いきって出直したのです」

「嘘おっしゃい! 私は鍵なんか、かけてきやしなかったわ」

と、珠緒さんが叫んだ。

「でも、鍵がかかっていたのですもの」

「ははア。それは奇妙ですな。そして、その鍵はどうしましたか」

「又、私が持って戻りました。お部屋に鍵をかけて。私はワザとライターを置き残してきたのです。王仁さんが目をさまして、私の訪れに気がつくように。