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しゅうとめとよめについて

与謝野晶子評論集

与謝野 晶子

線上閱讀与謝野 晶子《与謝野晶子評論集(しゅうとめとよめについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,148 字 · 31 頁

青空文庫

母性中心説の第二の誤謬はこの実状を看過していることであるように想われる。もし一切の男女が悉く健康で、教育があって、経済的能力を備えていて、夫婦としての堅実な愛が容易に成り立って、自由と幸福の予想せられる境遇が与えられて、夫婦が必ず子供を持つことが出来て、そうして親となることを最上の生活と信じてそればかりを望んでいるなら、男は父性中心の生活を、女は母性中心の生活を営むことに専心し、それを以てケイ女史のいわゆる「生れつきの制限」と自信して父性母性以外の無数無限な人間の活動を第二義とし、方便とし、そうして子供を持つことばかりをケイ女史のように人間の愛の真の目的とすることが出来るであろう。

人生が空想小説でなくて厳粛な目の前の一大事実である限り、人間は一人一人の性情と境遇とに従って各自の生活方針を変化して行かねばならない。トルストイ翁の言われる「天賦の使命」とか、ケイ女史の言われる「個人の権利の生れつきの制限」とかいうようなものが私たちのために、そうして私たちの外に予め一様に決定されていようとはどうしても考えられない。人間は一人一人の生きて行く必要から一人一人の権利と義務を――生れつきの制限ではなく――各自が個別にその時その時の必要を制限として自由に伸張しながら履行して行く外はないように私には見える。