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うぶやものがたり
与謝野晶子評論集
与謝野 晶子
線上閱讀与謝野 晶子《与謝野晶子評論集(うぶやものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,383 字 · 233 頁
近年婦人解放という問題が出ている。しかしそれは婦人自身が言い出したのでなく、物好きな一部の男子側、議論ばかりで実際にその妻女を解放しそうにない男子側から出た問題である。婦人にも少しは人並の量見を持たせてやってもよいという、特に男子側から御慈悲を掛けて御世辞半分に言い出された問題である。そうしてこの問題は格別婦人側の注意を惹かなかった。近頃はまたこの問題の反動として、多数の男子側から女子実用問題が唱えられて来た。即ち女子に高等教育は不必要だ、手芸教育が必要だ、女子は柔順に教育しなければならぬというのである。女子に高等教育を授ける弊害としては、折から英国に勢力を得て来た女子参政権運動を例に引いている。女子は永久に男子に隷属すべきものだ、解放などは以ての外だという権幕である。例の保守的思想が時を得顔に跋扈するのであるからかような議論は毫も驚くに足らないわけであるが、そういう男子が自分らだけは昔から自由を享得していたような態度であるから滑稽である。日本の男子は維新の御誓文と憲法発布とに由って初めて人並に解放せられたのではないか。自分らの解放せられた喜びを忘れて婦人の解放を押え、剰え昔の五障三従や七去説の縄目よりも更に苛酷な百種の勿れ主義を以て取締ろうというのは笑うべき事である。