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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 頁

青空文庫

林檎栽培は現在かなり重要な産業になっているが、おもしろいことには、北海道の林檎の種類には、今日でも、六号とか四十九号とかいう名前がついていて、番号で呼ばれている。これは輸入番号であって、一号からずっとつづいていたのであるが、そのうち北海道の風土に適したものが、生き残ったのである。

開発は農業だけに限られたものでないことを、ケプロンはよく知っていた。彼の部下のライマンは北海道の地質を詳細に調査し、とくに石炭の調査をよくやった。彼はその調査を行なうと同時に、若い日本人を養成し、その門下生たちは、後になって、つぎつぎと、北海道における主な炭山を発見した。石炭は、今日の北海道では、最重要な産業の一つであり、日本の勢力資源に、大きい寄与をしているが、これもライマンに負うところが多い。

ケプロンは、首都には産業が必要だとして、札幌に製材、製鉄、製粉など、各種の工場を建て、また北海道全体の問題としては、道路が何よりも急務であることを説いた。それでまず札幌から室蘭までの道路をつくり、室蘭を中継港として、札幌と東京を結ぶという大事業を起こした。

ケプロンは、在任満三年十カ月、りっぱに北海道開発の基礎を作り上げて、明治八年(一八七五年)に米国へ帰った。