輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 頁

青空文庫

、おさよはそのまま五十両を数え終わって、ちょっと改まって源十郎へ向きなおった。

「はい。たしかに五十枚。まことにありがとうございました。これでどうやらお艶の身の振り方もつき、またわたしもこの年になって安楽ができ、いわばわたしども母娘の出世の――いとぐちと申すべきもの、では、これからさっそく参りまして……」

「ア、そうしてもらいたい」

源十郎は上々機嫌だ。

「なに、財布がない。では、これを持っていかれるがよい」

と、これが世にいう運のつきであろうとは後になって思い合わされたところで、この時は源十郎お艶ほしさの一念でいっぱいだから後日の証拠のなんのということはいっこうに心が働かない。ごく気軽に自分の財布を取り出して内容をはたき、これに件の五十金を入れておさよに渡すと、おさよは大切に昼夜帯のあいだへしまいこんで、

「じゃ、一っ走り――」

起とうとするところを、ちょいとおさえた源十郎、

「何の中でも、当節五十両といえばまず大金の部である。こころおぼえのために栄三郎から離縁状を取って戻るまで、受取りをひとつ書いてもらいたいものだが……」

もっともと思ったおさよが、そこで、筆紙と硯を借りて文面は源十郎の言うとおり――。