輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

線上閱讀林 不忘《丹下左膳(たんげさぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 340,187 字 · 666 頁

青空文庫

弥生としても、助けられた恩のある五人組である。ただ一時二刀をひとつにして、そのうちただちに弥生に返すというのだから、弥生はその日の一日も早からんことを望み、豆太郎を使ってもちろん主に左膳をつけ狙うと同時に、栄三郎のほうは密と坤竜を奪ろうとしてその身辺に危害なきを期しているのだ。

いわば弥生は、兼光一団の申し出を利用しているまでのことなのだが、はたして豆太郎、よく弥生の真意を汲んで、その望むがごとく立ちまわるであろうか?

毒を用いる者は、みずからその毒を受けぬ用心が第一である。

すでに小野塚伊織の人柄をひそかに怪しんでいるらしい豆太郎……なるほど、得印老人の言うとおり弥生は、気づかれぬ注意が肝要であった。

が、豆太郎は、豆太郎として。

今宵は。

得印兼光のほうから口をひらいて、はじめてここに、われとおのれに誓った秘命のすべてを語り出そうとしている。

夜に入っていっそうの寂寞。

兼光の一言一語をも洩らさじと耳を傾ける弥生の顔に、大きなおどろきが、波紋のようにみるみる拡がっていくのだった。

して、その、世をしのぶ老士得印兼光なる主の物語というのは? はなしは、文明より永正にかけてのむかしにかえる。