輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《二つの庭(ふたつのにわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,492 字 · 389 頁
「あの人は、人生そのものが、あんな風なのさ」
そのとき、玄関で、
「ごめんなさい」
という男の声がした。
伸子が出て行ってみると、たたきのところに立っているのは男と女と、二人の客であった。
「やあ……」
テニス帽をぬぐ竹村英三に、伸子は、
「……御一緒?」
ときいた。女の客はその問いにあわてたように、
「いいえ。あの蕗子さんがあがっておりましょうか」
自分が竹村英三のつれでないことを明瞭にした。その声をききつけて、
「おそかったのね」
蕗子が出て来た。
「おお、おや。じゃあダブったんですね。門のところでおちあったんだけれど……」
そう云って改めて若い女客を見た竹村に、素子が座敷から、
「竹村さん、一寸八畳の方にあがっていてくれませんか」
と声をかけた。
蕗子の友達は、就職の相談に来たのであった。吉川という、その瘠せぎすの娘は、蕗子と同じ学校の英文科を去年卒業していた。
「それゃ心がけておかないもんでもないけれど……」
素子は、上まぶたをひきそばめるような視線になって、じっと吉川の、きちんと白衿を合わせているあたりを見た。
「あんたも、やっぱり家はいいんでしょう?」
「……生活にこまることはございませんけれど……」