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はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

線上閱讀原口 統三《二十歳のエチュード(はたちのエチュード)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,578 字 · 125 頁

青空文庫

*34

橋本を橋本のままにしておくこと。

僕にはどんな文体も可能であった。多少の幼稚さをまじえ、疎漏を加え、所々間抜けらしく見せて、しかも彼には僕の手になる手紙だ、とわかるのだ。

賢しらの才能というものに魅力を感ずる季節にある彼。彼は僕の言い廻しの幼さと、感傷性を発見して、自尊心を傷つけられないですんだ。

他人をそっとしておこうという望みは、気弱い感傷でなければ、極度の傲慢な態度と言えよう。僕が死を選んでから、得たこの悪い癖。

かつての僕なら、他人の自尊心の破壊を楽しんだに違いない。

いずれにしても、己惚れと精神的マスターベーションを捨てること。

*35

他人を許容するのは己惚れからにすぎない。ちょうど、他人を赦さぬことと同様に。

さて、他人を頭から無視する人間は、かって気ままにふるまえるか。けれども、彼が勝利の感情を懐く時に、傲慢無知と呼ばれ、身のほどをしらぬと言われるのはもっともだ。

人造人間のみが人間を無視できる。

*36

かつて多くの傲慢な「認識者」たちが、自分の周囲に集めた仲間、弟子。

「頭の中にあるものを出す」