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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
線上閱讀原口 統三《二十歳のエチュード(はたちのエチュード)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,578 字 · 125 頁
のにおいを君の裡に僕は発見した。
僕のボヘミヤン気質は、君とは違った感覚で、チエホフを懐しんだこともあった。洗煉とボン・サンス。――僕はやはり仏文の生徒だ。
*50
一高の生徒としての僕。――フランス語は優等生。操行は劣等生。
*51
夢のうちの贅りの花のひらきぬるダリニの市はわが遊びどころ
森 鴎外
大連よ。アカシアの芳烈な花々に満ち溢れた六月の植民地よ。緑山の頂きには海風が舞い、高台の上では巨大な病院が健康な眠りを貪り、荷揚げ波止場は支那語の叫喚に包まれ、酒場の地下室からはロシア語の合唱が聞こえ、そうして、舗装道路の両側につつましく並んだ小綺麗な洋館の窓蔭では、黄色い皮膚をした知識人が、畳の上でドイツ語を読んでいる。
かつて、この港の棧橋の上に立って、僕の少年らしい魂は、遠い行く末を美しく夢みたのだった。
大連よ。
戦争が、お前と僕とを隔離した。けれども僕はお前のことを忘れていた。僕は勇ましい「駄々っ子」だった。
僕には「戦争」なども用はなかった。工場を怠け、学校はお留守にし、鬢を生やした憲兵の間抜けな眼を嘲っては、動こうともしない獣の足を引きずりながら、「新しい歌」