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はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

線上閱讀原口 統三《二十歳のエチュード(はたちのエチュード)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,578 字 · 125 頁

青空文庫

表現はあくまで表現にとどめるべきだ。何故なら僕らの自意識は、どんな、まじめな顔だって偽り装うことができるから。

批評家よ。君は、ホーマーの「イリヤッド」から彼の私生活を計算できるか。フランソア・ヴィヨンだって、彼の詩は、詩として、別にたてまつるなり、葬るなりするのが当然だ。

批評はどこまでも正確でなくてはならぬ。臆測はどこまでも臆測である。ラ・ロシュフウコオの時代は過ぎた、と僕は手紙に意地悪く記したものだ。

「古典とは、作者の伝記から独立して提出されるに耐えるところの作品である」

こう定義して見よう。正直な文学少年が、ある種の古典を少しもおもしろいと思わないのはもっともだ。

*54

詩とは――夢の解体そのものが、ある律動の建設となることであり、観念の分析そのものが、ある音楽の構成となることである。

思えば、僕が「詩」を離縁した時、すでに僕は「死」との婚約を成就していたのではなかったのか。

おお、人生、――この、孤独なる詩、この知られざる記念碑よ! お前の冷ややかな石の上に、二十の春秋を刻み終えて、僕は今、立ち去るのだ。

*55

さて今日、僕はいかなる記念碑とも関りはない。