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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
線上閱讀原口 統三《二十歳のエチュード(はたちのエチュード)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,578 字 · 125 頁
ニーチェは重荷を担いで、苦しまぎれに威張り散らす。
*102
「汚濁の過去。屈辱の過去。これを肯定して、その上によりよき生を築く」と。いかにも男らしい口振りである。
しかし、ここには一つの嘘偽がある。
ニーチェの眼に、全き肯定者の姿が見られたか。彼の心は、絶えず不安と後悔につきまとわれていはしなかったか。この不安には男らしくないものがある。つまり真に肯定しているわけではないのだ。
さらにまた、ここにある一種の安定感。――「ここまで来たのだ」という無用の自慰の弛みがある。
彼は土台を必要としたのである。その弱気のゆえに。
*103
「予定」はまた、一つの安心感を必ず含む。それは過去を振り返るときの怯懦の影の延長にすぎない。
*104
僕はつねに、現在、立っている場所から始める。そして次の一歩に誠実さを籠めることだ。
*105
予定を拒絶すること。安定地帯を探るのは、精神の世界の厳しい空気から、幾らかでも逃れようとする衝動のあらわれである。
*106
「たえざる、ねばならぬ」とは、「絶えず『許容』と『妥協』を排して進むこと」