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はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

線上閱讀原口 統三《二十歳のエチュード(はたちのエチュード)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,578 字 · 125 頁

青空文庫

人間は、狂人となることを恐れてはなりません。

*102

人麿を、紫式部を、鴨長明を、西行を、芭蕉を、西鶴を、彼らのいずれをもわれわれは狂人と呼びはしまい。しかるに、彼らは昭和の日本人を指さして、異口同音に、「気狂い!」と喚くだろう。

発狂。――これこそは、文明人の特権、近代に寄せられた信篤き敬称、廿世紀の頭上に燦として君臨する、光栄の月桂冠ではないか。

*103

スフィンクスを焼滅せよ。しからずんば、すべてをスフィンクスと化せ。

*104

「影響を受けることを恐れてはならない」アンドレ・ジイドが言う。

ところでジイドよ、君はこうつけ加えるべきであったのだ。

「――ただし生命に別状のない限り」と。

*105

ランボオを読んで、「芸術という愚かな過失」などと、知ったかぶりをする嘘つきども。しかも彼らは芸術と別れることができないのだ。

ジイドよ。次のように言ってもよいではないか。

「影響を恐れまい。――ただし芸術様々だけではご安泰に残りますように」

*106

人は、多くのさまざまな「御本尊」を自分の中に持っている。

僕は、僕のいかなる「御本尊」