輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《二百十日(にひゃくとおか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,466 字 · 60 頁

青空文庫

「そうさ、ことによると一週間もかかるかね。見たまえ、あの丁寧に顋を撫で廻しながら抜いてるのを」

「あれじゃ。古いのを抜いちまわないうちに、新しいのが生えるかも知れないね」

「とにかく痛い事だろう」と圭さんは話頭を転じた。

「痛いに違いないね。忠告してやろうか」

「なんて」

「よせってさ」

「余計な事だ。それより幾日掛ったら、みんな抜けるか聞いて見ようじゃないか」

「うん、よかろう。君が聞くんだよ」

「僕はいやだ、君が聞くのさ」

「聞いても好いがつまらないじゃないか」

「だから、まあ、よそうよ」と圭さんは自己の申し出しを惜気もなし撤回した。

一度途切れた村鍛冶の音は、今日山里に立つ秋を、幾重の稲妻に砕くつもりか、かあんかあんと澄み切った空の底に響き渡る。

「あの音を聞くと、どうしても豆腐屋の音が思い出される」と圭さんが腕組をしながら云う。

「全体豆腐屋の子がどうして、そんなになったもんだね」

「豆腐屋の子がどんなになったのさ」

「だって豆腐屋らしくないじゃないか」

「豆腐屋だって、肴屋だって――なろうと思えば、何にでもなれるさ」

「そうさな、つまり頭だからね」

「頭ばかりじゃない。