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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《五〇年代の文学とそこにある問題(ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,472 字 · 50 頁
強い毒をふくんだ矢じりのようなものとして仕上げられようとしていることについての苦痛と抵抗とである。
一九五〇年代の日本の人民的な諸活動の骨髄は文学をふくめて、このカリエスをどのように治療してゆくかという課題に向わないわけにはゆかない。日本の現代文学は、この角度から、世界文学のうちに何かの意義をもつものであるか、或は、空文の憲法をもち、天皇というシムボルをもつ屈従の民のはかない気まぎらしの智慧の輪あそびと饒舌にすぎないものであるかを検討されなければならないときになっている。
四
このような一九四九年のはげしい渦に対して、民主主義文学運動は、それ自身を十分に展開しなかったし、現代文学の諸課題に向って展望的に作用することが非常に弱かった。この理由は何だったろう。反動攻勢という手近い返答が、解答のすべてではないと思う。
一九四六年のはじめに「新日本文学会」が組織され、民主主義文学運動が着手された。当時、日本の民主主義革命そのものの特殊な性格、すなわち、これまでの封建性、絶対主義に対するブルジョア民主革命をおしすすめる過程に、当面の革命が成熟してゆくという特殊な歴史的条件は、見とおされていなかったわけではなかった。