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ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい

五〇年代の文学とそこにある問題

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《五〇年代の文学とそこにある問題(ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,472 字 · 50 頁

青空文庫

組合の政治教育、文化・文学教育も、政治教育はとくに活溌ではあったが、それとても自分のところの組合組織の確立、ストライキ、他の組合のストライキの応援と、職場の活動的な分子ほど、彼の二十四時間は寸刻のゆとりもなかった。この種の事情は産別宣伝部で発行した『官憲の暴行』という各職場からのルポルタージュをよむと、誰にしても諒解せずにはいられない。

この重大な時期に民主主義文学運動の中軸としての労働者階級としての文学は、小市民をふくむ一般勤労者の文学とどうちがい、どのような方向をもつべきかということが明瞭にされなければならなかった。ところが、文学の領野にも、戦禍はまざまざとしていた。当時はプロレタリア作家として歴史的な存在意義をもつ小林多喜二を否定的に評価する傾向とたたかうことが『新日本文学』の一つの主な任務であった。また一般的にはそのころの『近代文学』が主張していた個人の自我の確立の提唱と民主主義にさえも示される政治不信の気分を、正常な社会と文学の関係への認識におき直す仕事があった。したがって、この時期、文学と政治の問題は、十数年以前の昔にさえさかのぼって、文学における政治の優位についての理解から語り出さなければならない有様だった。