輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きょうのそのころ

京のその頃

上村 松園

線上閱讀上村 松園《京のその頃(きょうのそのころ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,450 字 · 7 頁

青空文庫

非常に舞の上手な娘さんで、殊に扇をつかうことがうまく、八枚扇をつかうその舞は役者でも真似が出来ないと言われたくらいで、なかなかの評判だった。

その頃の稽古物はみな大抵地唄だったが、やあさんのお母さんという人がやさしい女らしい人だったが三味線がうまくて、よく母娘で琴と三味線の合奏やら、お母さんの三味線に娘さんの舞やらで楽しんでいた。

夏など、店から奥が透いて見える頃になると、奥まった部屋でそうしたものが始まるのが、かどを通ると聞こえてくる。今のように電車や自動車などなく、ようやく人力車が通るくらいのことだから、町中も大変静かだったので、そんなものが始まると、あッ又やあさんがやったはる、というのでかど先には人が何人も何人も立停って立聞きするという有様だった。

この辺は立売町で、やあさんは立売町の小町娘だった。

その頃の町中はほんとに静かだった。よく人形芝居が町を歩き廻り、町角には浄瑠璃語りが人を集めてもいた。真似々々といって、その頃評判の伊丹屋や右団次の口跡を、芝居でやるその儘の感じを出して上手に真似る人がいた。ちょっと役者顔をした男だったが、私の母の話によると、元は市川市十郎と一緒に新京極の乞食芝居の仲間だった人だということで、それがいつの間にか零落して町芸人になってしまったということだった。