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ひとをのろわば
人を呪わば
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《人を呪わば(ひとをのろわば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,223 字 · 7 頁
で、其処での大気焔。
悪友A氏「俺が大臣になったらな。……」
悪友B氏「俺が洋行した場合にはな。……」
悪友C氏「我輩社長になった際にはな。……」
「な」「な」「な」と「な」ばっかり。そこへノッソリ這入って来たのは、A新聞社の西警察係、太田君という敏腕家。
「ヨ――」「ヨ――」と双方で云う。
しかし無邪気に話そうとはしない。
つまり競争の相手だからで。
「一條君昨日は何うしました?」太田君ニタリと重く笑う。「貴郎が西署へ来なかったので、僕お蔭様で素破抜きましたよ」
一條に文句のある筈がない。
「左様なら」「左様なら」
で、太田君行って了う。
「一條の馬鹿奴、冷かされやがった」
A君一條をひどくカラカウ。
一條に文句のある筈がない。
「ああ酔っ払った、別れようぜ」
そこで一同散会する。
「お君って女、どうしているかな?」
一條鳥渡気にかかる。自然足がそっちへ向く。
いつか其家の前まで来る。
「今晩は?」
と声を掛ける。
「お上んなさい、二階に居ます」
宿の婆さんが頤をしゃくる。
チョコチョコと一條二階へ上る。
「いらっしゃい」
と云う女の声。お君の声と少し違う。
もっと別嬪の女がいる。