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じんぞうにんげんエフし
人造人間エフ氏
海野 十三
線上閱讀海野 十三《人造人間エフ氏(じんぞうにんげんエフし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 53,879 字 · 109 頁
大手柄
大辻助手は、どんなにおどろいたか、しれなかった。なにしろ、高いところから、どすんとおちて、いやというほど腰をうった。さあ、すぐ起きあがろうとおもっても、腰ははげしくいたむばかりで力というものが、まるっきりはいらない。そばでは何者かが、きゃーっと、へんなこえを出してとびのいた。気味がわるいったらない。が、こっちはうごくことができない。
大辻助手は、唸りたいのを、こえをだしてはたいへんと、口の中にのみこんで、一生けんめい観音さまを心の中で拝んだ。すると、しばらくたって、
「ひーい」と、一こえ、泣きごえがきこえる。それはたいへん細いこえだった。
「うむ、ゆ、幽霊だ!」
とうとう大辻助手は、たまらなくなって、おどろきのこえをたてた。からだは大きいが胆玉の方は、それほど大きくないのがこの大辻助手だ。
「ええっ、幽霊。あれーえ」
つづいて、かん高いこえで叫んだ者がある。それは大辻ではなかった。女の子のこえだった。大辻は二度びっくり!
だが、はっきり女の子のこえとわかって、彼はややおちついた。さっきから、まっくらな、このしめっぽい空井戸の底みたいな中で、きゃあきゃあいっていたのは、この女の子だったんだ。