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にんげんとゆわかし

人間と湯沸かし

小川 未明

線上閱讀小川 未明《人間と湯沸かし(にんげんとゆわかし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,082 字 · 7 頁

青空文庫

ある日のこと、火の上にかかっていると、火から、湯沸かしは苦情を申されました。

「湯沸かしさん、そう私の頭から水をかけては困るじゃありませんか。せっかく、私たちは、これから楽しく燃え上がろうとしているのに……。」

と、火がいいました。

「いや、それは、私のせいではありません。もとをただせば、あなたたちが、あまりはげしく私の体を苦しめたせいです。」

と、湯沸かしは、答えました。

「そんないいがかりをするものでありません。いつ私たちは、あなたを苦しめましたか?」

と、火は赤くなって、怒り出した。この争いの最中、ふと気づいたのは女中のお竹でありました。

「あ、とうとう湯沸かしがもるようになってしまった。」

といって、火の上から離すと、穴のあいたところを指で押さえてながめていました。

それから彼女は、それを持って、主人たちのいる方へやってきました。

「奥さま、湯沸かしがもりますが、どういたしましょう。」

と、申しました。

「あまり、おまえが、手荒く使うからだよ。」

と、奥さまはいわれた。お竹は、悲しくなりました。すると、だんなさまが、そばから、「もう長く使ったから、底がうすくなったにちがいない。