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にんげんかい
人間灰
海野 十三
線上閱讀海野 十三《人間灰(にんげんかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,345 字 · 33 頁
「智恵のない奴は、哀れなものだ」そう云ってニッと意味深い笑いを浮べた署長は、また村尾某の陳述書を読みだしたが、
「そうそうこれを頼まれていた」
彼は電話機をひきよせると、番号を云ってK町の測候所を呼び出した。
「ああ、こっちはK署ですが。あのウ、右足湖を中心とする一帯の風速と風向きとを伺いたいのですが、昨夕から今朝にかけてです。……なるほど、……なるほど」としきりに感心していたが「そうですか、昨夜九時半ごろまでは西風、そこで風向きが一変して南西風に変った。ああそうですか」
署長はまた何やら手帖の中に丹念に書こんだ。それから立ち上ると側の主任に自動車を命じた。
「わしは一寸庄内まで行って、村尾某に会って、それから都合によって、空気工場へ廻るぞ」といって出かけた。
後で署員たちは、あの老衰署長が、こんどに限って、どうしてあのように威勢がよかったり、味な調べ方をやるのか不思議がった。
4
気短の田熊社長は、彼の社長室の床をドンドン踏み鳴らしていた。彼の脚のすぐそばには、菜葉服の工夫が三人ほど、社長の足が飛んでくるのをヒヤヒヤ気にしながら、しきりとなにか針金を床下から引張りだして接ぎ合わせていた。