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にんげんかい

人間灰

海野 十三

線上閱讀海野 十三《人間灰(にんげんかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,345 字 · 33 頁

青空文庫

赤沢氏の室へ案内し給え、早く早く」

「えッ、先生がッ。――」

青谷技師を先登に、署長以下がこれに続いて、室外に飛び出した。階段をいくつか昇って、とうとう特別研究室に駆けつけた。

扉を開いてみると、居ると思った筈の、赤沢博士の姿はどこにも見えなかった。しかし受話器の外れた電話機が、床の上に転がっていた。してみると只今の恐怖の電話は、この室から掛けたものに相違ない。博士と幽霊とは一体どこに消えたのだろうか。

一同は顔を見合わせて、沈黙した。

「オイしっかりしろ署長」と田熊社長が叫んだ。「なんか変な音がするじゃないか」

「変な音?」

なるほどどこやらから、ピシピシプツプツと、異様な音響が聴えてくるのであった。

「うん、見付けたぞ」

青谷技師が室の一隅へ飛びこんで行った。そこには青いカーテンが掛けてあった。技師はカーテンをサッと引いた。すると衣装室と見えたカーテンの蔭には、洋服は一着もなかった代りに、白いタンクが現れた。そこにある一つのハンドルに飛びついて、それをグングン右へ廻した。

「それは何だ」と署長が叫んだ。

「これは液体空気のタンクです」と技師は云って、一同の方へ険しい眼を向けた。