輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はくしゃくのかんざし

伯爵の釵

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《伯爵の釵(はくしゃくのかんざし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,403 字 · 39 頁

青空文庫

三味線背負った乞食坊主が、引掻くようにもぞもぞと肩を揺ると、一眼ひたと盲いた、眇の青ぶくれの面を向けて、こう、引傾って、熟と紫玉のその状を視ると、肩を抽いた杖の尖が、一度胸へ引込んで、前屈みに、よたりと立った。

杖を径に突立て突立て、辿々しく下闇を蠢いて下りて、城の方へ去るかと思えば、のろく後退をしながら、茶店に向って、吻と、立直って一息吐く。

紫玉の眉の顰む時、五間ばかり軒を離れた、そこで早や、此方へぐったりと叩頭をする。

知らない振して、目をそらして、紫玉が釵に俯向いた。が、濃い睫毛の重くなるまで、坊主の影は近いたのである。

「太夫様。」

ハッと顔を上げると、坊主は既に敷居を越えて、目前の土間に、両膝を折っていた。

「…………」

「お願でござります。……お慈悲じゃ、お慈悲、お慈悲。」

仮初に置いた涼傘が、襤褸法衣の袖に触れそうなので、密と手元へ引いて、

「何ですか。」と、坊主は視ないで、茶屋の父娘に目を遣った。

立って声を掛けて追おうともせず、父も娘も静に視ている。

五

しばらくすると、この旱に水は涸れたが、碧緑の葉の深く繁れる中なる、緋葉の滝と云うのに対して、紫玉は蓮池の汀を歩行いていた。