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さくしゃのことば〔『ひ だいいちぶ』〕
作者の言葉〔『火 第一部』〕
線上閱讀坂口 安吾《作者の言葉〔『火 第一部』〕(さくしゃのことば〔『ひ だいいちぶ』〕)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 827 字 · 2 頁
私は、過去に戦争に遭遇した多くの文人たちを、羨みもし、私自身がそうでないことによって、敵意をいだいてもいたのである。
私の念願は達せられた。私は戦禍の中を逃げまどいもし、私の目で見うる限りの戦争を見つめつづけることができた。
この結論として書きだしたのが、この小説であり、いわば二十年来の念願であり、狙いでもあった。
この小説はたぶん五章にわかれ、作中の時代は、終戦後までつづく筈である。
半年か一年に一章ずつ、まア三年ぐらいのうちに、書き終るつもりである。作中の人物は一切架空であり、戦時内閣の総理大臣は、東条でも近衛でもない。戦争に至る道程、謀略も内乱も一切架空で、私自身が到達しうる人間の限界を示しているにすぎないだろう。
一九五〇年四月八日 伊東にて、
作者