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さくしゃのことば(『まずしきひとびとのむれ』)
作者の言葉(『貧しき人々の群』)
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《作者の言葉(『貧しき人々の群』)(さくしゃのことば(『まずしきひとびとのむれ』))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,879 字 · 4 頁
その友達は心からよろこんでほめてくれた。次に、母にみせた。丁度、夜で、もう母は小さい弟と床の中にいた。そこへもって行って、よんでおいて、と云った。一二時間たって、もう自分がねようとしていたら、わたしが机を置いていた玄関わきの小部屋へ母が入って来た。母は感動していた。そして、涙をおとした。
「農民」という題をつけて書いたその小説は、やがて父が紹介者をもっていたという関係から私の知らないうちに坪内雄蔵氏のところへ送られた。そして、中央公論に紹介され、そこに発表されることにきまった。坪内雄蔵氏の注意で、二百何十枚かあったところを百五十枚ほどに整理し、かなづかいや字のあやまりを訂正した。題をそのとき「貧しき人々の群」とつけ直した。
今日よみかえしてみると、「貧しき人々の群」はいかにも十八歳の少女の作品らしい稚なさ、不器用さにみちている。けれども、何とまたその年ごろの感覚でしか描き出せないみずみずしさに溢れているだろう。すべての穢らしさが、現実的につよく作品の中に描かれているが、その穢なささえ、よごれた少年の顔のようにやっぱりその地は、人生のよろこびで輝やいている。