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しゅじゅのことば

侏儒の言葉

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《侏儒の言葉(しゅじゅのことば)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,003 字 · 73 頁

青空文庫

しかもその又他人の中には肉親さえ交っていなかったことはない。

又

わたしは度たびこう思った。――「俺があの女に惚れた時にあの女も俺に惚れた通り、俺があの女を嫌いになった時にはあの女も俺を嫌いになれば善いのに。」

又

わたしは三十歳を越した後、いつでも恋愛を感ずるが早いか、一生懸命に抒情詩を作り、深入りしない前に脱却した。しかしこれは必しも道徳的にわたしの進歩したのではない。唯ちょっと肚の中に算盤をとることを覚えたからである。

又

わたしはどんなに愛していた女とでも一時間以上話しているのは退窟だった。

又

わたしは度たびをついた。が、文字にする時は兎に角、わたしの口ずから話した※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)はいずれも拙劣を極めたものだった。

又

わたしは第三者と一人の女を共有することに不平を持たない。しかし第三者が幸か不幸かこう云う事実を知らずにいる時、何か急にその女に憎悪を感ずるのを常としている。

又

わたしは第三者と一人の女を共有することに不平を持たない。しかしそれは第三者と全然見ず知らずの間がらであるか、或は極く疎遠の間がらであるか、どちらかであることを条件としている。