輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しゅんかん

俊寛

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《俊寛(しゅんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,263 字 · 33 頁

青空文庫

「どうじゃ、女房は相不変小言ばかり云っているか?」

わたしはやむを得ず俯向いたなり、御留守の間に出来した、いろいろの大変を御話しました。御主人が御捕われなすった後、御近習は皆逃げ去った事、京極の御屋形や鹿ヶ谷の御山荘も、平家の侍に奪われた事、北の方は去年の冬、御隠れになってしまった事、若君も重い疱瘡のために、その跡を御追いなすった事、今ではあなたの御家族の中でも、たった一人姫君だけが、奈良の伯母御前の御住居に、人目を忍んでいらっしゃる事、――そう云う御話をしている内に、わたしの眼にはいつのまにか、燈台の火影が曇って来ました。軒先の簾、廚子の上の御仏、――それももうどうしたかわかりません。わたしはとうとう御話半ばに、その場へ泣き沈んでしまいました。御主人は始終黙然と、御耳を傾けていらしったようです。が、姫君の事を御聞きになると、突然さも御心配そうに、法衣の膝を御寄せになりました。

「姫はどうじゃ? 伯母御前にはようなついているか?」

「はい。御睦しいように存じました。」

わたしは泣く泣く俊寛様へ、姫君の御消息をさし上げました。それはこの島へ渡るものには、門司や赤間が関を船出する時、やかましい詮議があるそうですから、髻に隠して来た御文なのです。