輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しゅんかん

俊寛

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《俊寛(しゅんかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,263 字 · 33 頁

青空文庫

康頼と少将とは一心に、岩殿詣でを続け出した。それも岩殿を熊野になぞらえ、あの浦は和歌浦、この坂は蕪坂なぞと、一々名をつけてやるのじゃから、まず童たちが鹿狩と云っては、小犬を追いまわすのも同じ事じゃ。ただ音無の滝だけは本物よりもずっと大きかった。」

「それでも都の噂では、奇瑞があったとか申していますが。」

「その奇瑞の一つはこうじゃ。結願の当日岩殿の前に、二人が法施を手向けていると、山風が木々を煽った拍子に、椿の葉が二枚こぼれて来た。その椿の葉には二枚とも、虫の食った跡が残っている。それが一つには帰雁とあり、一つには二とあったそうじゃ。合せて読めば帰雁二となる、――こんな事が嬉しいのか、康頼は翌日得々と、おれにもその葉を見せなぞした。成程二とは読めぬでもない。が、帰雁はいかにも無理じゃ。おれは余り可笑しかったから、次の日山へ行った帰りに、椿の葉を何枚も拾って来てやった。その葉の虫食いを続けて読めば、帰雁二どころの騒ぎではない。『明日帰洛』と云うのもある。『清盛横死』と云うのもある。『康頼往生』と云うのもある。おれはさぞかし康頼も、喜ぶじゃろうと思うたが、――」