輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ひかりとかぜとゆめ

光と風と夢

中島 敦

線上閱讀中島 敦《光と風と夢(ひかりとかぜとゆめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,032 字 · 158 頁

青空文庫

但し、艦上に於ては前王として出来る限り厚遇すると、独逸艦長が保証していることを、マターファは附加えた。ラウペパは信じなかった。彼は覚悟していた、自分は二度とサモアの地を踏めまいと。彼は、全サモア人への訣別の辞を認めて、マターファに渡した。二人は涙の中に別れ、ラウペパは独逸領事館に出頭した。其の午後、彼は独艦ビスマルク号に載せられ、何処へともなく立去った。彼の訣別の辞は悲しいものであった。

「……我が島々と、我が全サモア人への愛の為に、余は独逸政府の前に自らを投出す。彼等は、その欲するままに余を遇するであろう。余は、貴きサモアの血が、我故に再び流されることを望まぬ。しかし、余の犯した如何なる罪が、彼等皮膚白き者をして、(余に対し、又、余の国土に対し)斯くも憤らしめたか、余には未だにそれが解らぬのだ。……」最後に彼は、サモアの各地方の名前を感傷的に呼びかけている。「マノノよ、さらば、ツツイラよ。アアナよ。サファライよ……」島民は之を読んで皆涙を流した。

スティヴンスンが此の島に定住するより三年前の出来事である。

新王タマセセに対する島民の反感は烈しかった。