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はっけんでんだんよ
八犬伝談余
内田 魯庵
線上閱讀内田 魯庵《八犬伝談余(はっけんでんだんよ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,945 字 · 43 頁
よりもかえって成功しているはその一例である。
四 『八犬伝』の歴史地理
馬琴は博覧強記を称されもすれば自ら任じもした。殊に歴史地理の考証については該博精透なる尋究を以て聞えていた。正当なる歴史を標榜する史籍さえ往々不穿鑿なる史実を伝えて毫も怪しまない時代であるから、ましてや稗官野乗がいい加減な出鱈目を列べるのも少しも不思議はない。馬琴自身が決して歴史の参考書として小説を作ったのでないのは明らかで、多少の歴史上の錯誤があったからとて何ら文芸上の価値を累するに足らないのである。馬琴の作が考証精覈で歴史上または地理上の調査が行届いてるなぞと感服するのは贔屓の引倒しで、馬琴に取ってはこの上もない難有迷惑であろう。ただ馬琴は平素の博覧癖から何事も精しく調査したらしく思われる処に損もあり得もある。『房総志料』を唯一の手品の種子箱とする『八犬伝』の歴史地理の穿鑿の如きはそもそも言うものの誤りである。余り偏痴気論を振り廻したくないが、世間には存外な贔屓の引き倒しもあるから、ただ一個条憎まれ口を叩いておこう。(無論『八犬伝』の光輝はソンナ大向うの半畳で曇らされるのではない。