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ふたたびかがくてきせいしんについて
再び科学的精神について
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《再び科学的精神について(ふたたびかがくてきせいしんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,742 字 · 23 頁
だからなおまだ、之を文化時局的に限定出来る余地を充分に残していると見るべきだろう。――そこで文献学主義の更に或る特殊な限定された形として、教学主義を指摘しなければならぬと私は考える。
或る論者は科学的精神と日本精神とが相反するものだということを世間に納得させようとする。云わば日本精神は審美的な表現を宗とするから、科学的精神の支配下に立つものではない、というような意見である。日本精神を審美的表現性を有つと考えることは併し、要するに之を以て知性的合理的表現に相応しからぬものとすることであるから、知識よりも人格、頭よりも肚、知育よりも徳育、云々という一切の実用主義的非合理主義と同じ目標を有つものである。だがいずれにしても、所謂日本精神と呼ばれるものを、往々にして科学的精神の反対物であるかのように考えるのが、日本主義者の通常であるようだ。今日の日本の民衆は「科学的精神」を旱天の慈雨のように欲しているのだが、日本主義者によると、それは民衆の伝統上、許すことの出来ないもので、日本の民衆は科学的精神を欲するものでないと垂訓するのであるから有難い迷惑である。
そこで科学的精神に対立するものとして、日本では何か或る日本特有な日本的なものを有つだろうという結論になる。