輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふゆのはなび

冬の花火

太宰 治

線上閱讀太宰 治《冬の花火(ふゆのはなび)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,986 字 · 44 頁

青空文庫

継母だって何だってあたしのお母さんに違いないのだし、腹ちがいでも栄一はやっぱりあたしと仲のよい弟だし、そんな事はちっともなんにも気にならなかった。だけど、あたしが女学校へ行くようになってから、何だか時々ふっと淋しく思うようになったの。だって、お母さんは、あんまりよすぎるんだもの。一つも欠点が無いんだもの。あたしがどんなわがままを言っても、また、いけない事をしても、お母さんは一度もお叱りにならず、いつも笑ってあたしを猫可愛がりに可愛がっていらっしゃる。あんな優しいお母さんてないわよ。優しすぎるわ、よすぎるわ。いつかあたしが、足の親指の爪をはがした時、お母さんは顔を真蒼にして、あたしの指に繃帯して下さりながら、めそめそお泣きになって、あたし、いやらしいと思ったわ。また、いつだったか、あたしはお母さんに、お母さんはでも本当は、あたしよりも栄一のほうが可愛いのでしょう? ってお聞きしたら、まあ、上手に答えるじゃないの、お母さんはね、その時あたしにこう言ったの。時たまはなあ、だって。あんまり正直らしく、そうして、優しいみたいで、にくらしくなっちゃったわ。栄一にばかり、ひどく難儀な用事を言いつけて、あたしには拭き掃除さえろくにさせてくれないのだもの。