輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふゆがれ
冬枯れ
徳永 直
線上閱讀徳永 直《冬枯れ(ふゆがれ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,850 字 · 48 頁
「おやじの事だって、長男であるぼくとしてはしょッちゅう気にかかっているし、君達におっつけておいて、それでいい気でいる訳じゃ毛頭ないんだが……」
傍で、むっつりとめしを喰っていた妹が、そのときガタンと飯びつの蓋をして、台所の方へ起っていったのを、鷲尾は酔ってる頭にピンと感じたが黙っていた。
「いや、わしらにゃ恰度子供も出来まッせんけん、なんのおとっつぁん一人くらい……」
人の好い大工は、べつにとりなし顔でもなくそう鷲尾に云った。
「義兄さんは学者じゃけん、まァ一つ兄弟じゅうば代表して名前ばあげて下はりまッせ」
「ありがとう――」
鷲尾は苦笑どころでなく、あらたまった気持で盃をもらいながらこたえた。
「いいとも、ぼくが君たちを代表してそのゥ、名前ばあげるよ」
しかし父親はポツンと淋しそうに肩をすぼめていた。こんなときの癖で、反向けた顔のどッかをボンヤリと見つめているのが、まるで子供のようだった。鷲尾は何かハグらかすようなことでも云わずに居られない気がした。
「それにネお父っつぁン、なかなか老人は東京に居つかないんだよ」
皺くちゃな横顔を追いながら、そんな事実を憶い出しながら云った。