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こごえるおんな
凍える女
小川 未明
線上閱讀小川 未明《凍える女(こごえるおんな)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,949 字 · 20 頁
「どうなさった。まあ、この雪に、今頃になってから……。」といって、この儘にしていては、この女が凍え死ぬと思ったから、まごまごしながら、囲炉裏に火を焚き付けにかかった。風が、どっと吹き込んで棚の上のランプを吹き消そうとした。老婆は慌てて、戸口に駆けて戸を閉めて、また、勝手の板の間を上げて、中から薪を取り出して火を付けにかかった。幾たびか火は、付きかけては消えて、容易に付きそうでなかった。
爺も、起きて来て、三分心のランプに火を点けて、其処の勝手許に吊したのである。ランプはまだぐらぐらと揺れている。外には、吹雪の音が絶えなかった。
「ひどい寒さだ。」と、爺はいって、「さあ奥さん此方に来て、合羽をとって上って下さい。」といった。
けれど女は、其処に黙って竦んだまま動かなかった。
「帰ろうと思ったらこの雪で、日は暮れてしまうし、とても山越えは出来ぬから、引きかえしたがもう道が分らなかったので……。」といって、女はランプに照らされた顔の色は、血の気が失せて青白かった。而して、手足はガタガタと震えている……。
爺は、心から、この女の人の末路を気の毒に感じた。而して、自分も土間に下りて、女を介抱した。