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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《剣侠(けんきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 156,961 字 · 310 頁
「その通り。変に思うかな?」
「どういう関係がございますやら」
「今に解る。じきに解る」
「ははあ左様でございますか」
「わしは金蔓をなくしてしまった――源女殿を見失ってしまったので、秩父にいる必要がなくなってしまった。そこで江戸へ帰ろうと思う。……江戸へ帰って行く置土産に、林蔵を立派な男にしてやりたい。それで逸見氏と試合をするのだ。……高萩の猪之松の剣道の師匠、逸見多四郎殿と試合をするのだ」
3
(なるほどな)と浪之助は思った。
(林蔵の師匠たる秋山先生と、猪之松の師匠たる逸見先生とが、武術の試合をした上で、林蔵を関東一の貸元にする。なるほどな、意味がありそうだ)
確実のことは解らなかったが、意味はありそうに思われた。
やがて解るということであった。押して訊こうとはしなかったが、
「それに致しましてもお組の源女と、その源女のうたう歌と、先生とのご関係を承わりたいもので」
以前から疑問に思っていたことを、浪之助は熱心に訊いた。
その浪之助は以前においては、まさしく源女の愛人であった。がその源女が今度逢ってみれば、変わった性格となって居り、不思議な病気を持って居り、妙な歌を口吟むばかりか、要介などという人物が、保護する人間となっていたので、浮いた恋、稀薄の愛、そのようなものは注がないこととし、ほんの友人のように交際って来