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そうさくかのたいど
創作家の態度
線上閱讀夏目 漱石《創作家の態度(そうさくかのたいど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 65,224 字 · 128 頁
また一例を云うと、ここに一人の男がある。この人は学校へ出る。その時には教師の仲間へ入れて見なければなりません。筆を執る。その時には著作家の群に伍するものと認めるのが至当であります。家へ帰る。すると夫とも親ともして種類別をしなければならない。この人は一人であるけれどもこれほどの種類へ編入される資格があるのであります。作物もその通りであります。これを分解し、これを綜合して、同一物のある部分を各適当な主義に編入するのが穏当であります。そんな錯雑した作物がないと云うのは過去の歴史だけを眼中に置いた議論でこれから先に作物の性質が、どのくらいに複雑な性質をかねてくるかを窮めない早計の議論かと思います。よし過去の作物だけについて検して見てもその作全体もしくはその人の作物総体をある一主義のもとに一括し得て妥当と認めらるるほどの単調なものばかりはないはずであります。しかるに歴史に束縛されるとこの分類が旨く行かない。なぜと云うと文学史で云う何々主義と云うのは理論から出たのでなくして、個人の作物から出たのであって、その作物の大体を鷲攫みにして、そうしてもっとも顕著に見える特性だけを目懸けて名を下したまでであります。