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そうさくかのたいど
創作家の態度
線上閱讀夏目 漱石《創作家の態度(そうさくかのたいど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 65,224 字 · 128 頁
これも分りやすいためになるべく単簡に通俗な例で説明致します。普通用談の際は無論雑談の際でも、我々は滅多に主観的な叙述を用いてはいないと思っています。詩的な、浪漫的な句は筆を執って紙にでも咏懐の辞を書き下す時に限るように考えています。ところが実際は大違で、談笑の際始終この種の叙述をやっております。腹の虫が承知しないなどと云うのもその一つであります。腹のなかに虫はおりません。よしおったところで、承知しない虫はおりません。承知しない虫がいたって誰が相談なんかするものですか。あるいは腹が立つと申します。腹が立つと云ったって、元来坐りもしない腹が立ちようがないじゃありませんか。あるいは眼が廻るとも云うようですが、今日までまだ眼玉の廻転している人に逢った事がありません。それにもかかわらず三句とも皆通用しています。これは皆主観的態度で話し主観的態度で聞いているのであります。この態度で話せばこそ、聞けばこそ通用するのであります。大袈裟に云うと御互が浪漫派だから合点ができるのであります。簡単を尊んで、短かい句だけで説明しましたが、もっと長くなっても精神に変りはありません。