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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《十二神貝十郎手柄話(オチフルイかいじゅうろうてがらばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 127,035 字 · 254 頁

青空文庫

しかしお品が同じ身の上になったと、お品の母親によって聞かされた時、新八郎は可哀そうなと思った。が、どっちみち新八郎の心は、慰めのないものとなったのである。

そういう新八郎の眼の前に、お高祖頭巾を冠った女が、今忽然と現われて、謎めいた言葉をかけたのである。

(この女は何者なのであろう? ……どうして俺の身の上や、お品やお篠の身の上について、見通しのようなことを云うのであろう?)

疑惑を持たざるを得なかった。

(もう少し突っ込んで訊いて見よう)

こう新八郎は思い付いて、その女の方へ近寄ろうとした。

と、その女は歩き出した。

「ご婦人」

と新八郎は声をかけた。しかしその時にはもうその女は、そこの横手に延びている小広い横丁へはいっていた。

「しばらく」

と新八郎も横丁へはいった。が、すぐに「おや」と云った。女が四人の男達に、前後を守られていたからである。

(そうか)

と新八郎はすぐに思った。

(女は一人ではなかったのだ。以前から男達があそこにいて、あの女を警護していたのだ)

(いよいよ不思議な女ではある)

五

女の一団は歩き出した。

(さてこれからどうしたものだ?)