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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《十二神貝十郎手柄話(オチフルイかいじゅうろうてがらばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 127,035 字 · 254 頁

青空文庫

その人々の見物の仕方が、その人々の性格を現わし、なかなか面白うございます」

「ほほう、さようでございますかな。どんな見方を致しますので?」

「前野良沢殿、大槻玄沢殿、この人達と来た日には、物その物を根掘り葉掘り尋ね、その物の真核を掴もうとします」

「それは真面目の学究だからでござろう。あの人達にふさわしゅうござる。蘭医の中でもあのご両人は、蘭学の化物と云われているほどで」

「ところが平賀源内殿と来ると、ろくろく物を見ようともせず、ニヤリニヤリと笑ってばかりおられ、このような物ならこの源内にも、作り出すことが出来そうで――と云いたそうな様子をさえ、時々見せるのでございますよ」

「アッハッハッ、さようでござろう。平賀殿はいうところの山師、山師というのは利用更生家、新奇の才覚、工面をなして、諸侯に招かれれば諸侯を富まし、町人に呼ばれれば町人を富まし、その歩を取って自分も富む――と云う人間でありますからな。このような物を一眼見ると、それを利用してそれに類した物を、なるほどあの仁なら作られるでござろう。……それはそうとカランス殿には」

貝十郎は改まって訊ねた。

「奥の部屋においででございます」