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じゅうごねん
十五年
山本 実彦
線上閱讀山本 実彦《十五年(じゅうごねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,158 字 · 17 頁
社はそのとき創立未だ日が浅いので、版権等の交渉についても、そして一人一冊とか、三人一冊とかの割当てについても、名状のできない困難に遭逢したのであった。
が、同僚たちは固い信念のもとによく努力してくれる。そして文壇の人びとも、全国中を行脚、遊説して廻っていただくなど、ここにも一つの前例がひらかれたのであった。結果は、世界に例のない画期的の好果にほほえむことができたのであった。それも、一昔前の夢ものがたりにすぎない。
私は改造社が本月を以て満十五年になるというので、社の若き人びとにいわれるままに、柄にもなく経験のとびとびや、断想のきれぎれをつなぎ合わせて見た。
窮極のところ、こうした事業も、やっぱり一つの創作である。自分の腹からこみ上げてくる自信と創意とがなければ、世を動かし、人を動かすことはできぬように思う。他の人がやってうまく行ったのを真似てみたところで、要するにそれは猿真似にすぎぬ。猿真似は心もちのいいものではないばかりか、人の腹のなかになんらの手応えをも与え得ない。
三月はいつもいやな月である。児らの試験地獄を現前させられるいやな月である。