輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ちどり

千鳥

鈴木 三重吉

線上閱讀鈴木 三重吉《千鳥(ちどり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,951 字 · 41 頁

青空文庫

それに極めねば収まりがつかない。むりでもそれに違いない、と権柄ずくで自説を貫いて、こそこそと山を下りはじめる。

下りる途中に、先に投げた貝殻が道へぽつぽつ落ちている。綺麗な貝殻だから、未練にもまた拾って行きたくなる。あるだけは残らず拾ったけれどやっと、片手に充ちるほどしかない。

下りてみると章坊が淋しそうに山羊の檻を覗いて立っている。

「兄さんどこへ行ったの」と聞く。

「おい、貝殻をやろうか章坊」というと、素気なくいらないと言う。

私は不意に帰らねばならぬことと相なり候。わけは後でお聞きなさることと存候。容易にはまたとお目もじも叶うまじと存ぜられ候。あなたさまはいつまでも私のお兄さまにておわし候。静かに御養生なされ候ようお祈り申しあげ候。おものも申さで立ち候こと本意なき限りに存じまいらせ候。なにとぞお許しくだされたく候。

これは足を洗いながら自分が胸の中で書いた手紙である。そして実際にこんな手紙が残してあるかもしれないと思う。出ようとする間ぎわに、藤さんはとんとんと離れへはいって行って、急いで一と筆さらさらと書く。母家で藤さんと呼ぶ。はいと言い言い、あらあらかしくと書きおさめて、硯の蓋を重しに置いて出て行く。