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はんしちとりものちょう

半七捕物帳

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《半七捕物帳(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,788 字 · 15 頁

青空文庫

あるいは座敷へ通して置いて、腕ずくで嚇して奪い取るものもある。近所の者ならばそれが空屋敷であることを大抵承知しているが、遠方の者はそれを知らないで、うっかり連れ込まれるのである。それであるから、白昼のあかるい時には決してその被害はない。かれらはなんとか口実を設けて、いつでも暗い夜に相手をおびき出すのである。おなじ場所で幾たびも同一の手段を繰り返せば、たちまちに足のつく虞れがあるので、一つ場所ではせいぜい二度か三度ぐらいにとどめて、更にほかの場所を選ぶのを例としている。したがって、今度の鶉の一件もおなじ奴らの仕業であることは判り切っていた。

「だが、今度のは今までと違って、すこし新手だな」と、半七は笑いながら云った。

「奴らもいろいろに工夫するんですね」と、松吉も笑った。「それにしても、一つ目小僧とは考えたね。悪くふざけた奴らだ」

「まったくふざけた奴らだ、あんまり人を馬鹿にしていやがる。今度こそは何とかして退治つけてやりてえもんだ」

ふたりは伝馬町の野島屋へ行って、主人の喜右衛門に逢ってその晩の様子を訊いた。化け物の正体も詳しく聞きただした。喜右衛門は年甲斐もなく物におびえて、その化け物の正体をたしかには見とどけなかったのであるが、一つ目といっても、絵にかいてあるいわゆる一つ目小僧のように、顔のまん中に一つの