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しょうせつかたらんとするせいねんにあたう
半自叙伝
菊池 寛
線上閱讀菊池 寛《半自叙伝(しょうせつかたらんとするせいねんにあたう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,766 字 · 19 頁
それには、矢張り、多く読むことが必要だ。
そして、それら多くの作家が、如何なる風に人生を見ているかということを、参考として、そして自分が新しく、自分の考えで人生を見るのだ。言い換えれば、どんなに小さくとも、どんなに曲っていても、自分一個の人生観というものを、築きあげて行くことだ。
こういう風に、自分自身の人生観――そういうものが出来れば、小説というものも、自然に作られる。もうその表現の形式は、自然と浮んで来るのだ。自分の考えでは、――その作者の人生観が、世の中の事に触れ、折に触れて、表われ出たものが小説なのである。
すなわち、小説というものは、或る人生観を持った作家が、世の中の事象に事よせて、自分の人生観を発表したものなのである。
だから、そういう意味で、小説を書く前に、先ず、自分の人生観をつくり上げることが大切だと思う。
そこで、まだ世の中を見る眼、それから人生に対する考え、そんなものが、ハッキリと定まっていない、独特のものを持っていない、二十五歳未満の青少年が、小説を書いても、それは無意味だし、また、しようがないのである。
そういう青年時代は、ただ、色々な作品を読んで、また実際に、生活をして、自分自身の人生に対する考えを、的確に、築き上げて行くべき時代だと思う。