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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《南蛮秘話森右近丸(なんばんひわもりうこんまる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 頁

青空文庫

「お前のような人間は、唐姫様にはお気に召さぬそうな」

「それは昔から解って居るよ」星影左門も負けてはいない。

「が、腕ずくでも手に入れて見せる」

浮木の姥はまた笑ったが、「我等の勢力を知らぬと見える」

すると左門も笑ったが、「そういうことを云うお姥こそ、我々の勢力を知らぬと見える。……と云うのはここにいる人数こそ、六十人にも不足だが、なお後から続々と、大勢の者が上洛るのだ、のみならず土右衛門も槌之介も、衆をひきいて上洛るのだ。いやいやその上に筑右衛門までが、衆をひきいて来るのだよ」

「ふふん」と云ったものの浮木の姥はいささか胆を奪われたらしい。「よかろうよかろう幾百人でも来い。しかし我等が固めている、処女造庭の境地へは、一歩たりとも入れぬからの」

「入れぬと云っても入ってみせる。がそれは後日の問題だ。今夜はこれで別れよう」

「これ」と浮木は声を強めた。「娘をこちらへ引き渡せ」

すると左門は民弥を見たが「随分美しい娘だの。酌などさせたら面白かろう。……お気の毒だが渡されぬよ」

「是非とも渡せ! 大事な娘だ!」

「ほほうそんなにも大事かな?」

「大事な娘だ、さあさあ渡せ!」