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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《南蛮秘話森右近丸(なんばんひわもりうこんまる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 頁

青空文庫

「取った鷹さんはよかろうが、取られた犬さんはつまらない」

「その犬さんが私達さ」

「酷い目にこそ逢いにけり」

「もっと酷い目に逢うかもしれない」

「もうこれ以上は御免だよ」

「どだいお前が悪いのだよ」玄女が猪右衛門をやっつけた。

「ううんお前がよくないのさ」

「ナーニお前がよくないのさ、と云うのは道草を食っていたからさ、人形を盗んだら大急ぎで、飛び帰ってくればよかったのに」

「と云うことが云えるなら、俺の方にだって云分はある。人形はお前へ渡したはずだ、あの時サッサと逃げ帰ったら、こんな不態には逢わなかったはずだ」

「何だか知らないがお前が悪い!」

「何だか知らないがお前が悪い!」

「いいえさ、お前だ!」

「何のお前だ!」

人間が逆境に落ち込むと、仲好し迄が喧嘩をする。例えに洩れずというのでもあろう、玄女と猪右衛門とは争い出した。

やがて二人は掴み合いをはじめ、互いに咽喉を締め合った。そうして二人ながら死んでしまった。

ところがこの頃社務所の中の、燈火の明るい部屋の一つで、三人の男女が話し合っていた。

唐姫と右近丸と浮木である。

「……と云うわけでございまして、民弥殿を目付けはしましたが、惜しいところで茨組共に、奪い去られましてございます。