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はんせいのぶんがくげんじものがたり
反省の文学源氏物語
折口 信夫
線上閱讀折口 信夫《反省の文学源氏物語(はんせいのぶんがくげんじものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,037 字 · 16 頁
又は「ひかる源氏の物語」と言っていた。帚木の巻のはじめに「光源氏、名のみこと/″\しう言ひけたれたまふ。……」と書かれているのも、「光り輝く皇族出の公子、噂ばかりでは、何だ彼だと大げさに悪口なども言われていらっしゃる。……」まあこう言う風の表現なのである。
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源氏物語は何時頃書かれたかと言う事も大事だが、其よりもっと大切な事は、何時の時代を書いたか、と言う事である。源氏物語の世界は、平安朝に這入って凡十代を経た時代、皇族から臣下に降る事はまだまだ行われていたが、どうしても藤原氏の勢力に押され、そうした運動の無謀さが省みられ、凡情熱の磨滅せられ出した宇多・醍醐の帝の時代を書こうと言う、漠とした予期があったのである。此は、紫式部の時代より数代前の事になる。こうした歴史に沿った物語を書く場合には、不断聞いたり見たりしている人の事が、自らもでるとなって出て来るものである。源氏物語の中にも、これは誰がもでるだと言われる類型は沢山あるが、光源氏のもでるだと言われるのは、部分部分では、いろいろな人を思わせるような書きぶりがあるが、全体としては、平安朝を通じて、最著しい藤原道長を目標においているようである。