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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁

青空文庫

普通の人に読んですぐわかる批評文を書いているのは、青野季吉と正宗白鳥と渡辺一夫ぐらいで、他はたいがい、いけない。語られている事がら自体がむづかしい場合に、それの表現が或る程度までむづかしくなる事は、やむを得ません。相対性原理をタシザンとヒキザンだけで説明することはできない。しかし批評家たちの物の言いかたの難解さはそんなものではありません。ごくやさしい事を言うのにも、ひどくむづかしく言う。むづかしい事言う時には、まるきりわからないように言う。それはまるで何かの病気のようです。全体、この人たちは誰のために批評を書いているのだろう? 誰に読ませるために? 誰に理解させるために? 誰に影響をあたえたいために? 誰を啓発し、誰を激励したいために? 一言に言って、誰と語るために批評を書いているのでしょうか?

もちろん、日本の文化人の間には、難解なことを読まされると、それが自分によくわからないという理由で、尚いっそうそのものを尊重するマゾヒスティックな読者が、かなりおりますから、それらに対する批評家たちの順応の現象だともいえない事はない。しかしどんな批評家でも普通の正常な心理を持った読者は相手にしないというタテマエではないだろうと思います。