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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁

青空文庫

ボロ市を歩くには、歩きかたがある。見るような見ないようなふうにして歩くことだ。もちろん、そんな歩きかたをしていたのでは、掘出物は見つかるまいが、そんなことは私の知ったことではない。

だから、私は、その時その時に、過去三、四ヵ月の間に私が自然に読み過ぎて来た作品の中で、とくに私の注意を引いた作品を論評する。論評と言っても、かならずしも作の是非を言い立てたり、価値を上下しようと言うのではない。私という一人の人間が、それらの作品をどんなふうに読んだか、読みながら何を感じたか、読みおわって何を考えたか、と言ったふうのことをのべる。

一貫して私が守りたいと思うのは、あくまで作品自体に添ってものを言うという方式だけである。

「ひさとその女友達」――広津和郎(『中央公論』十月文芸特集号)

広津和郎が久しぶりに書いた(久しぶりではないかも知れないが、私の目に触れたものとしては久しぶりであった)この小説の題名と名前を見た時には、大変嬉しかった。誇張して言えば胸がすこしドキドキしたくらいである。期待と危惧が半々に入れまじっていた。「よい小説であってくれ」という気持と「どうせまた下手クソだろう」