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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《叢書名著の復興1 恐怖の季節(きょうふのきせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 257,544 字 · 508 頁
ム。(振返って遠くを望み)山へかかって丁度六つか。おーい、長五郎! 待ってくれーい! 長五! おーい!(と叫びながら、長五の去った左手の道へ小走りに去る)
(道具廻る)
3 十三塚峠近くの台地
夜更けの山中の静けさ。
木立や岩などで取囲まれた台地の奥は深い谷と暗い空に開いている。花道に筑波女体から十三塚峠に達する尾根伝いの山道。正面やや左手に打捨てられた炭焼竈の跡。
揚幕の奥遠くはるかに筑波神社の刻の太鼓の音ドー・ドー・ドーと遠波のように響く。夜鳥の声。梢を渡る風の音。猿の鳴声。
間――。
右手隅に立っている木立の幹や梢に斜め下の方からボーッと丸い明りが差し、次第に強くなる。(峠の方から登って来る人の手に持たれた龕燈の光)ガサガサと人の足音。
声 ……(中音に吟じながら)君不レ見漢家山東二百州、千村万落生二刑杞一、縦ヒ有三健婦ノ把ル二耕犂一、禾生二滝畝一無二東西一……。まっと、のしなはい、今井君。提灯持ちが後から来たんじゃ、問題にならん。地図どころか第一、羅針盤の針が見えんですぞ! (といいながら出て来て、下からの光の輪の中に立ち、手に持った地図を覗いている士は、身装こそ少し変っているが、第一場に出て来た加多源次郎である)